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概要:米国では現在約900万件の求人があることが政府のデータで示唆されているが、一部の求職者が話す現状はやや異なるようだ。
報告されているゴースト求人の件数、コロナ禍前の2倍-調査会社
米労働省雇用動態調査(JOLTS)への懐疑的な見方強まる
米国では現在約900万件の求人があることが政府のデータで示唆されているが、一部の求職者が話す現状はやや異なるようだ。
求職者のフラストレーションは、さまざまな理由で求人ポスト全てを埋める意図が実際にはない雇用主が「ゴースト求人」の広告を出していることに起因している。調査会社レベリオ・ラブズによると、報告されているゴースト求人の件数は多くの業界でコロナ禍前と比べて2倍に増加している。平均的な求人広告が新規採用につながる可能性は約50%しかないという。
こうしたエピソードを一因に、米国での公式な求人件数を示す労働省雇用動態調査(JOLTS)に対する懐疑的な見方が強まっている。とりわけ米金融当局が、労働市場の過度な逼迫(ひっぱく)を示す主要な証拠としてこの統計を取り上げているためだ。
インディード・ハイアリング・ラブの経済調査責任者、ニック・バンカー氏は「求人広告や求人件数は確かに不完全な指標だ。スポットライトが当たるようになると、それらの弱点がさらに見えてくる」と指摘。「不安定となりやすい一つの統計に依存すれば、労働市場の実際の広さを捉えることはできないだろう」と述べた。
ズーム会議やマスク着用義務化のように、月間のJOLTS統計はコロナ禍でスポットライトを浴びるようになった。堅調な雇用市場やコロナ関連の政府支援に乗じて、数百万もの米国民が転職あるいは労働力から完全に退くことを決めた。
労働者が大量に自主退職するこうした現象は「グレート・レジグネーション」と呼ばれ、米金融当局が数十年ぶりの積極的な金融引き締めサイクルに着手する中、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は労働市場過熱の兆候としてJOLTSにしばしば言及した。米労働統計局によれば、求人件数は昨年に付けたピーク時点で1200万件余りに上り、失業者1人に対する求人件数は2件となっていた。
元FRBエコノミストのジュリア・コロナド氏は今年、他の政府統計と比べてサンプル数が少なく、回答率が低いとして、「ゴミ」も同然だとJOLTSを批判していた。同氏ら民間エコノミストは最近、労働統計局の専門家と電話会議を開き、懸念を報告した。
一方、「非アクティブあるいは『ゴースト』の求人広告は広くまん延している問題ではない」とインディードの広報担当者、ジョツナ・グローバー氏は主張する。インディードのサイトでは同社のガイドラインを満たさない広告を毎月「何千万件」も削除していると、同氏は説明した。
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