ＥＣＢホルツマン氏、最低準備金を10倍に引き上げるべきだ－ＷｉＷｏ

ＥＣＢは７月に最低準備の付利をゼロとすることを決定

他のＥＣＢ当局者は最低準備引き上げの必要性で意見分かれる

欧州中央銀行（ＥＣＢ）政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、ＥＣＢへの預け入れを銀行に義務付けている最低準備金の額を10倍程度に増やすべきだとの考えを示した。ドイツの経済誌ウィルトシャフツウォッヘ（ＷｉＷｏ）とのインタビューで語った。

「危機の間、銀行は非伝統的な金融政策から大きな恩恵を受けていた。将来、再び同様の措置を取らざるを得なくなった場合、ＥＣＢはバランスシートに準備金が必要になる。そのため、私は銀行が最低準備として無利子でより多くの資金をＥＣＢに預けることを提案する」と、同氏は27日掲載されたインタビューで述べた。

銀行は現在、顧客預金を主体とした負債の１％をＥＣＢに預ける必要がある。ＥＣＢは７月、この預金に対する利子をゼロとすることを決定した。2011年以前は法定準備率が２％だったことを挙げ、準備率引き上げを望む声もあった。

政策委きってのタカ派の１人であるホルツマン氏は「銀行からの反発を招くだろう」と認めつつも、「私は５－10％程度を考えている」と述べた。

ドイツ銀行とコメルツ銀行を代表するドイツのロビー団体は今週、可能性のあるこの措置について既に批判した。

独連邦銀行のナーゲル総裁は準備金の増額を支持する１人だが、そのような措置が間近に迫っているわけではないことを示唆している。同総裁は先週、法定準備金の利子をゼロにした決定は「慎重な一歩」であり、「来年また準備金に関する話題を取り上げる可能性はもちろんある」と語った。

一方、スペイン中銀のデコス総裁は、さらなる措置は「私には自明とは思えない」と述べている。

ＥＣＢは準備金の利子をゼロとしたことで中銀が銀行に供給する資金は減り、引き締め政策の「効率」改善に寄与すると主張している。