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概要:米連邦準備理事会(FRB)は14─15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、インフレ圧力に対応し、2022年中に計3回の0.25%ポイント利上げを行う見通しを示した。利上げを前に量的緩和縮小(テーパリング)を加速することを決め、来年3月に資産購入が終了すると見込んだ。
ロイター編集
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[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は14─15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、インフレ圧力に対応し、2022年中に計3回の0.25%ポイント利上げを行う見通しを示した。利上げを前に量的緩和縮小(テーパリング)を加速することを決め、来年3月に資産購入が終了すると見込んだ。
米連邦準備理事会(FRB)は14─15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、インフレ目標が達成されたことを受け、パンデミック(世界的大流行)下で実施していた債券買い入れプログラムを来年3月に終了し、2022年末までに0.25%ポイントずつ3回の利上げを実施する方針を示した。写真は10月20日撮影(2021年 ロイター/Joshua Roberts)
パウエル議長は会見で、「米経済は政策支援の増額をもはや必要としていない」と指摘。物価が違和感を覚えるほどのペースで上昇する一方で、「私の見解では、最大雇用に向け急速に進展している」と分析。これらの要因により、全てのFRB当局者が2年前に導入した新型コロナウイルス対応の緊急緩和策から本腰を入れて脱却すべきと考えるに至ったと説明した。
FOMC声明や新たな金利・経済見通しでは、コロナ禍後の好ましい経済状況が描かれた。インフレ圧力が和らぎ、比較的緩やかなペースで金利が上昇し、失業率が3年間3.5%の低水準を維持するという「ソフトランディング」が待ち受けていると想定する。
ただ、一部のアナリストはこの見通しに懐疑的だ。
ドレイファス・メロンのチーフエコノミスト、ビンセント・レインハート氏は、FRB当局者らが見込む期間3年の利上げサイクルは抑制的とされる水準には達しないが、インフレは鈍化すると想定されていると指摘。「これは妥当な想定なのだろうか」と疑問を呈した。
新たな経済見通しでは、来年のインフレ率を2.6%と9月時点の2.2%から上方修正したが、23年には2.3%、24年には2.1%に低下すると見込む。
失業率は来年3.5%に低下し、24年までこの水準を維持すると想定、当局者が長期的に持続可能と考える水準を大幅に下回る。
また、物価上昇と強い雇用を前提に置いた結果、政策金利は現行のゼロ近辺から22年末に0.90%、23年に1.6%、24年に2.1%へと引き上げるとの予想が中央値となった。
声明からはインフレが「一過性」との文言が削除され、代わりにインフレ率が「しばらくの間」目標の2%を超えたことを認めた。
利上げに道を開くため、テーパリングは加速させる。資産購入の削減額を現在の2倍の毎月300億ドルに拡大する。FRBは最近まで、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を毎月計1200億ドル購入していたが、1月には600億ドルとなり、3月にゼロになる。
FOMCの結果を受け、米国株は反発して取引を終え、米債利回りも上昇。ドル指数は当初強含んだが、その後下げに転じた。
また、金利先物市場は5月の利上げ開始と22年末までの2回の追加利上げを織り込む水準となった。
<景気の長期拡大に物価安定必要>
FRBは労働市場の一段の改善を利上げの条件としたものの、新たな政策見通しは大きな経済ショックがない限り、利上げが来年実施されることにほぼ疑いを持たせない内容となった。政策当局者18人全員が22年末までに少なくとも1回の利上げが適切と示唆した。
新型コロナのオミクロン変異株を巡る懸念はあるものの、FRBは来年の経済成長率見通しを4.0%と9月時点の3.8%から引き上げた。
パウエル議長は、人々がパンデミック(世界的大流行)を巡る懸念から解放された後に米労働市場がどのように機能するかを知りたいが、「近い将来にそのような状況は見込めない」と指摘。
一方で、オミクロン株によるリスクについても、コロナ下の緊急緩和策の再開などが必要になるとは想定していないと語り、感染率の景気動向への影響は薄れるとの見通しを示した。
労働市場にとっては、コロナよりもインフレ高進が大きなリスク要因になっているとの見方も示した。労働市場が好ましい状態に回帰するには景気の「長期拡大」が必要で、「それを達成するには物価安定を確実に維持する必要がある」と強調した。
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